LeMans 2004:Preview(1)

2004 セブリング12時間レース

 今月20日に、ALMS開幕戦のセブリング12時間レースが、アメリカ、フロリダ州のセブリング・レースウェイで行われました。例年、ルマン24時間レースの前哨戦として注目を浴びるこのイベントですが、今もルマン本戦を占う上で、非常に興味深い結果となりました。6月に行われるルマン24時間レースの展望も含めて、セブリングでのレースを分析していきましょう。
 

本命はチャンピオン・レーシングか
 今回のレースには、3台のアウディ・R8が出走しました。このうち2台がチーム・ベロックスからの出走で、残りの1台はチャンピオン・レーシングからの出走でした。

 チーム・ベロックスは昨年、GTSクラスのフェラーリ550マラネロでルマンに出走したチームです。(昨年のルマン・エントリーリスト)今年はアウディ・スポーツUKの支援を受ける形で、アウディR8を出走させることになりました。よって、このチームがアウディ・R8をレースに出走させるのは初めてだったわけです。それで優勝できたのですから、評価できます。

 しかし、この優勝は棚ボタであったことも否めません。トップを走行していたチャンピオン・レーシングのアウディR8が周回遅れと接触し、マシンの修復に時間を取られ、順位を落としたことが優勝の決め手でした。また、ベロックスのもう1台にはトラブル発生していました。

 やはり経験、実績ともに勝るチャンピオン・レーシングが本戦の優勝最有力でしょう。これに打ち勝つのはチーム・ゴウも厳しいと思われます。
 

チャンピオン・レーシング

アウディ・スポーツUK・チーム・ベロックス

 
ローラ、ダラーラの健闘
 昨年はオレカの撤退によりレースから姿を消していたダラーラLMPが、このセブリングで1年ぶりに帰ってきました。2002年のルマンにオレカが出走させたマシンのうち1台を、ロールセンター・レーシングが購入したものです。もう1台はスピネカー・クランデスチームが購入したようですが、セブリングには出走していません。

 それぞれルマン本戦に出走する予定であるため、その走りに注目が集まりました。決勝ではトラブルに悩まされながらも完走を果たし、なかなかのパフォーマンスを見せました。リタイヤにつながるような致命的なトラブルが発生しないことがこのマシンの強みでもあるため、些細なトラブルを解決することができれば、ルマン本戦でもよい位置に付けられるでしょう。さすがにアウディに勝つことは厳しいでしょうが。

 そのダラーラより速かったのがローラEX257(B160と表記する場合もあり)勢でした。セブリングでは予選でアウディ勢に割り込む速さを見せました。しかし信頼性に乏しく、出走3台中1台しか完走できませんでした。完走した1台にもトラブルが発生していました。

 ルマン本戦にはRML(セブリングには出走せず)とインタースポーツ・レーシングがそれぞれ1台ずつ出走させます。このマシンに標準で搭載されるエンジンはAERターボです。このエンジンはハイパワーながら、信頼性に難があります。そのため、インタースポーツ・レーシングは速さよりも信頼性を重視し、AERエンジンではなく、ジャッドエンジンを搭載して出走させています。

 予選だけであっても速さでアウディ勢に挑める数少ない存在であるため、ローラ勢には期待がかかります。ダラーラに勝るポテンシャルを持っていることは証明済みですから、童夢、ペスカロロなどの有力プライベーターに挑むことができるかもしれません。ただし、信頼性の確保が最重要課題です。
  

インタースポーツ・レーシング

ロールセンター・レーシング

 
名車、珍車再び
 パノスがついにプロトタイプを捨て、GTPマシンでセブリングに殴りこんで(いうか紛れ込んで)きました。しかも新開発のマシンではなく、98年型GTR-1を手直ししたマシンです(何と6年落ち!)。セブリングの予選ではGTSトップのコルベットに劣るなど、速さはどうにもならない状態ですが、見事完走を果たしました。ルマン本戦にも出走しますから、信頼性を武器にどこまで戦えるかというのも見ものです。

 また、セブリングでロータス・エリーゼが国際レースに帰ってきました。しかも最上位クラスのLMP1からの出走でした。元ロータスF1チームのドライバーであるジョニー・ハーバートが開発に関わっているといわれ、注目を集めていましたが、速さも信頼性も無く、予選では何とGTクラス勢に埋もれ、決勝ではトラブルで早々にリタイヤとなりました。ルマン本戦に出走する計画もあったようですが、断念しています。
  

チーム・エリーゼ

ラルブル・コンペション

 
 セブリングに出走したチームの中で、アウディに対抗できると思われるものは見当たりません。ヨーロッパ勢を見てみないとわからない部分もありますが、今年のレースはアウディ同士でのトップ争いとなることが予想されます。その中でも最有力はチャンピオン・レーシングであると思われます。

(続く)

(04/04/27)

■2004 セブリング12時間レース

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