F1 Column 2004:Whom does Williams choose?

2005年ウィリアムズ

 F1契約承認委員会(CRB)は、バトンのウィリアムズ移籍を認めなかった。バトンは2006年にウィリアムズに行きたいと言っている。ウィリアムズも同じ希望を持っている。おそらくこれは実現するだろう。しかしとりあえず来年のドライバーを確保しなければならない。果たしてウィリアムズは誰を選ぶのだろうか。


■アントニオ・ピッツォニア (現ウィリアムズ テストドライバー)
 現在最有力とされているのがテストドライバー
のピッツォニアだ。ピッツォニアはラルフの代役で出走したレースでも良い走りを見せており、何よりチーム代表のフランク・ウィリアムズの信任厚いことが強みだ。以前はテクニカル・ディレクターのサム・マイケルは彼の実力を疑問視していたようだが、代役出走レースでの走りを見て考えを改めたようだ。

 ただし、ネックとなる部分もある。もしブラジルGPでチームがコンストラクターズ5位に落ちると、来期はサードドライバーが必要になる。これにはピッツォニアを使いたい。そうでなくても、もう1人のテストドライバーのジェネがやる気を失っていることから、ピッツォニアのレギュラー昇格は開発部門に大きく影響する。テストドライバーの全面刷新は避けたいところだ。


■ニック・ハイドフェルド (現ジョーダン レギュラードライバー)
 ハイドフェルドはドイツGPでウィリアムズからの出走を打診されていたこともあり、有力候補の1人だ。ジョーダンとの契約は今年限りであり、本人もノーサラリー、ポイントボーナスのみという条件でも受け入れるという(バトン問題の結論が出る以前にBARに対してこう言っていた)から、金銭的なネックは無い。実力も疑いないところだ。さらに、彼がドイツ人であることはBMWに対して有利に働くだろう。

 ハイドフェルドはピッツォニアと1対1のオーデションを要求しているという。2人を実際に走らせて比較し、速い方を選んでくれということだ。とりあえず、最低でもテストドライバーにはなれそうな模様だ。


■デビッド・クルサード (現マクラーレン レギュラードライバー)
 来期ジャガー入りが確実視されていながら、チーム消滅によって行き場を失ってしまったクルサード。バトン問題の決着前は「引退かも・・・」と弱気な発言目立っていたが、ここにきて猛烈なアピールを始めた。
ウィリアムズの前テクニカル・ディレクター、パドリック・ヘッドはクルサードを推していたと言われているが、彼の辞任によって、クルサードの後ろ盾は皆無に等しい状況になってしまっている。

 クルサードが来年ウィリアムズに乗る可能性は低い。しかし可能性が無いわけではない。ピッツォニアのレギュラー昇格はテストチームに影響を与えるし、ハイドフェルドの場合、2006年のバトン加入で他チームに移籍する可能性が高い。これがライバルチームへ移籍となると、チーム情報が筒抜けになるリスクがある。クルサードのドライバー人生は終焉に近い。1年使い捨てのドライバーならば、クルサードはいい候補だといえる。


■アンソニー・デビッドソン (現BAR サードドライバー)
 デビッドソンはBARのサードドライバーとしての活躍で、今期一気に評価が上がった。新規参入チームも獲得を狙っているとされる。BAR側も、万が一彼ンが引き抜かれた時に備えてエンリケ・ベルノルディをテストに起用している。しかし、デビッドソンを引き留めておきたいことには変わりは無い。

 彼の最大の弱点はF1レース経験の少なさだ。これは他の候補に比べて大きく劣っている。ただ、アレックス・ユーンの代役としてミナルディから出走した時は、ウェバーと遜色ない走りを見せた。BARサードドライバーでの走りも含めて、速さは保証されている。ただし、ハイドフェルド同様に1年限りで使うにはリスクを伴うことは否定できない。


■ジャンカルロ・フィジケラ (現ザウバー レギュラードライバー)
 来期はルノー入りが確定しているフィジケラだが、彼も候補の1人だ。ルノー監督のフラビオ・ブリアトーレがウィリアムズに契約を売却しようとしている、という噂があるのだ。この場合、ルノーにはザウバー行きが決まっているビルヌーブが残り、ザウバーは残り物・・・ということになる。実際、フィジケラはブリアトーレとの関係が悪化されているとされ、また、相次ぐ技術スタッフの離脱や、2005年撤退説などでルノーは少なからず不安定な状態にある。フィジケラとしてもウィリアムズ入りは良い選択だ。

 問題は今挙げられている候補の中で最も金がかかる、ということだ。サラリーはもちろんのこと、契約買い取りにも相当かかるだろう。ウィリアムズが1年限りのドライバーのためにそこまでするとは思えない。現実的なのはルノーの契約下でのレンタル、といったところか。


■マルク・ジェネ (現ウィリアムズ テストドライバー)
 ラルフの代役として出走したレースで全く振るわなかったことから、ジェネはチーム内での立場を完全に失ってしまっている。そんなわけで一時、フェラーリへのテストドライバーとしての移籍が浮上したが、実現しそうな気配はない。もちろん来期のレギュラー昇格など有り得るはずもない。エンジン開発能力に優れるジェネは、”最強”BMWエンジンのブランド化に大きく寄与した。ここのところのBMWエンジンの失速とジェネのテスト離脱は無関係ではないだろう。

 来期ジェネがテストドライバーとしてでも、ウィリアムズに残る可能性は低い。これは先に言ったとおり、ピッツォニアのレギュラー昇格の障壁となっている。チームもジェネの立場を見直すべきではないか。


■ジェンソン・バトン (現BAR レギュラードライバー)
 BARから契約を買い取る、という形でのバトン獲得という手段もないことは無い。しかしウィリアムズはCRBの決定に対して何の措置も取らないというから、もう来期のバトン獲得は諦めたといっていいだろう。そもそもウィリアムズは元来ドライバーに金をかけようとしない。

 一部では、ウィリアムズは来期バトンをCCWSで走らせて、2006年にウィリアムズに加入させるのではないか、ということが囁かれている。これは現実的なことではないが、ウィリアムズはバトンに対して相当な執着心を持っていることだけは確かなようだ。


 現在予想されてるいくつかの候補に関して書いたが、正直なところバトンの行動と言動には疑問に感じられずにいられない。どうしてそこまでしてウィリアムズに行きたいのか。確かに来期BARが戦闘力を維持しているかといえば不安だと言わざるを得ない。金銭的問題もあっただろう。しかしなぜ今なのか。もうちょっとまともな方法は無かったのか。

 ■2005年ウィリアムズ
F1 Columun 2004:Whom does Williams choose?